文化的な社会貢献のために

芸術、文化、連帯

文化遺産の保存と継承

ノートルダム大聖堂の再生を支援

2019年にパリのノートルダム大聖堂を襲った火災は、世界中に並々ならない感情の波を巻き起こしました。同時に、人類が最も大切にしているランドマークに数えられるこの聖堂を救うため、驚くべきほどの寛大な支援が寄せられました。これを受け、ベルナール・アルノーは、大聖堂の修復を支援するため、2億ユーロの寄付を行うと発表しました。再建工事の全期間を通じて一般市民や寄付者に情報を提供するため、LVMHは『 La Fabrique de Notre-Dame(原題)の発行を支援しました。同誌は、大聖堂の再建を担当する公的機関の編集監修のもと、コネサンス・デ・ザールが年2回発行する修復の記録誌です。プロジェクトの初期段階から、LVMHは、伝統的なクラフツマンシップと最先端の技術的な専門知識の両方を示す場になった、この類まれな取り組みに深く関わり続けてきました。2024年にノートルダム大聖堂が一般公開を再開したことは、近年において最も大規模な文化財修復プロジェクトの一つとして大きな節目になりました。それは人類が力を合わせて成し遂げた文化的な功績であり、LVMHはその支援に携われたことを誇りに思います。グループは、修復の完了まで引き続き尽力していきます。2025年には、尖塔の完成、16体の彫像の返還、大聖堂の後陣の修復など、重要な節目を迎え、さらなる進展が見られました。

歴史的・建築的遺産の保存

LVMHは、世界有数の重要な文化遺産の保護に深く尽力し、フランス国内外の史跡の保存と修復を支援しています。その中には、フランス文化と卓越した芸術を世界的に象徴するヴェルサイユ宮殿も含まれます。同宮殿へは、LVMHおよび傘下メゾンがこれまで度々支援を行ってきました。例えば、ディオールは王室礼拝堂の修復に協力しました。イタリアでは、フェンディとブルガリが、重要な文化財の修復プロジェクトを支援し続けています。フェンディは、ティボリにあるヴィーナス神殿とローマ神殿、イタリア文明宮、ヴィラ・デステなど、数々の歴史的建造物の保存を支援してきました。2025年、メゾンはまた、50年近く閉鎖されていたルネサンス期の傑作「ディアナ洞窟」の一般公開再開を支援しました。ヴィラ・アドリアーナとヴィラ・デステの自治機関VILLÆ(ヴィラエ)とのパートナーシップにより実施された修復事業は、この歴史的なニンファエウムの建築的価値と装飾の豊かさを蘇らせるとともに、それを次世代へと確実に継承することを可能にしました。ブルガリもまた、スペイン階段や象徴的なカラカラ浴場の修復など、数々の画期的なプロジェクトを通じてイタリアの文化遺産への長年にわたる取り組みを継続しています。

国立美術館のコレクションの充実

    長年にわたり、LVMHは、ルーヴル美術館、ヴェルサイユ宮殿、ギメ美術館をはじめとする主要な美術館や文化機関に対し、国宝とみなされる優れた芸術作品の収蔵を支援することで、公共の文化遺産の保存と価値向上に貢献してきました。グループによる初期の画期的な貢献の一つとして、1998年には、ジャック=ルイ・ダヴィッドの「ジュリエット・ド・ヴィルヌーヴの肖像」をルーヴル美術館に寄贈しました。さらに近年では、LVMHの支援により、フランソワ1世の時祷書が同館のコレクションに加わりました。グループはまた、ヴェルサイユ宮殿への数々の重要作品の収蔵にも貢献してきました。マリー・アントワネット王妃のためにリーズネルが制作した書き物机、セーヴル陶器製造所が制作した3つの花瓶をはじめ、2018年には、シャムの大使からルイ14世に献上された金銀製の水差しの取得を支援しました。LVMHはまた、ギュスターヴ・カイユボットが描いた印象派の傑作「舟遊び」の寄贈を通じて、オルセー美術館のコレクションの充実を支援してきました。2024年、グループは、ジャン・シメオン・シャルダンの「野苺の籠」(1761年)の取得に向けたルーヴル美術館の寄付の呼びかけに対し、大きな役割を果たしました。こうした支援により、現在は国宝に指定されているこの絵画は、同美術館の所蔵品として恒久的に収蔵されることになりました。
    Portrait de Juliette de Villeneuve © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Franck Raux

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    芸術的遺産を新たな観客へ届ける

    後援活動を通じて、LVMHは、フランスおよび世界各地で50件以上の大規模な展覧会の実現を支援し、画期的な文化イベントを通じて数百万人もの来場者を結びつけてきました。この取り組みは、共有される芸術的遺産を保存・継承するだけでなく、歴史、創造性 、現代文化との間で継続的な対話を促進するというグループの志を反映しています。LVMHは、ルーヴル美術館、オルセー美術館、ポンピドゥー・センター、グラン・パレ、ニューヨークのMoMA、ロンドンのテート・ブリテンなど、世界有数の文化機関や美術館を支援しています。近年では、テート・ブリテンで開催された展覧会「Turner and Constable: Art, Life, Landscape(ターナーとコンスタブル:芸術・人生・風景)」を支援しました。また各メゾンは、文化遺産、現代の創作、卓越したサヴォアフェールを融合させた展覧会を通じて文化的な対話に貢献しています。2025年、ルイ・ヴィトンはパリにて「ルイ・ヴィトン アールデコ」展を開催し、アーカイブ作品、歴史的な創作物、現代の作品を通じて、メゾンとアールデコ運動との長きにわたる関わりを紹介しました。ゲランは、シャリマーの誕生100周年を記念し、現代アートと香りの創造の対話を五感で楽しむ展覧会「En plein cœur」展を開催しました。上海にて、ロロ・ピアーナは、メゾンが培ったテキスタイルの伝統、卓越した素材、中国とイタリアの文化的つながりに焦点を当てた初の大規模展覧会「If You Know, You Know」を開催しました。現代の創作活動や舞台芸術もまた、グループの文化活動において重要な位置を占めています。その中でもLVMHは、フランスおよび国際的な現代アートのカレンダーにおいて最も注目されるイベントの一つとして、パリで開催される「ニュイ・ブランシュ」へ長年にわたる支援を行っています。毎年、このイベントには幅広い層の観客が訪れ、首都パリを代表するランドマークや公共空間を巡りながら、卓越した芸術の旅を体験することができます。

    次世代のアーティストやクリエイターにインスピレーションを届ける

    文化遺産の保護と新進の才能の育成

    LVMHは、サヴォアフェールの継承、創造性の促進、文化へのアクセスの拡大に長年にわたり取り組んできました。文化後援活動を通じて、グループは芸術や工芸の伝統の継承を支援し、芸術教育を推進するとともに、次世代の才能の育成に尽力しています。「若者のための1,000枚のチケット」のイニシアティブでは、パリの音楽院の学生たちがシーズン中に最も権威のあるコンサートに参加できるよう、約5万枚のチケットが提供されました。「Orchestre à l’École」プログラムの支援では、350台の楽器の購入にも寄与し、フランス全土における音楽教育へのアクセス拡大に貢献しました。グループはまた、知識の共有と学習機会の平等な確保を促進する教育活動も支援しています。コレージュ・ド・フランスが主導するイニシアティブ、Agir pour l’éducationとのパートナーシップを通じて、LVMHは、学術研究と教育現場の実践を結びつけ、読解力および数学教育の強化に貢献しています。わずか2年間で、4万人近くの学生がこのプログラムの恩恵を受けています。LVMHによる「ディスカバリー&ラーニング」クラスは、グループが支援する展覧会と連動して開催され、これまでに2万人以上の子供たちが参加しました。また、「若手ファッションデザイナーの育成・支援を目的としたLVMH プライズ」を通じて、LVMHグループは芸術やデザインを学ぶ学生に対して100件近くの奨学金を授与し、彼らが希望する国で学業を継続できるよう支援しています。LVMHはまた、様々な伝承・芸術育成プログラムを通じて、新進のミュージシャンや才能あふれる若手アーティストを支援しています。国際音楽アカデミーを通じて、グループは小澤征爾氏のマスタークラスを支援しているほか、マキシム・ヴェンゲーロフ、ローラン・コルシア、キリル・トゥルソフ、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソン、ダニエル・ロザコヴィッチといった世界的に著名なアーティストにLVMHコレクションのストラディバリウスを貸し出すことで、次世代にインスピレーションを届け、卓越した音楽性の育成に貢献しています。

    LVMH プライズ:次世代のファッションを担う人材を支援

    過去12年間、LVMH プライズはファッションの未来を切り拓くデザイナーたちを支援してきました。このイニシアティブを通じて、グループは新進の才能を育成し、世界規模で現代の創作活動が活気づくために貢献しています。毎年、素晴らしい審査員団が、同世代の中でも最も有望なデザイナーたちを選出します。賞そのものの名誉に加え、受賞者にはブランドの成長を加速させるための実質的な支援が提供されます。LVMH プライズでは、最大40万ユーロの資金援助に加え、生産、流通、マーケティング、広報、知的財産といった主要分野において、グループの専門家が個々に合わせて指導を行うメンターシッププログラムが用意されています。2025年にフォンダシオン ルイ・ヴィトンで開催された第12回LVMH プライズでは、日本人デザイナーの大月壮士がグランプリを受賞しました。カール・ラガーフェルド賞はスティーブ・O・スミスに授与され、卓越したクラフツマンシップを称えるために2024年に新設されたサヴォアフェール賞は、トリシジュ・ドゥミに贈られました。またグループは、ファッションスクールを卒業したばかりの3名に対し、ルイ・ヴィトン メンズ、ケンゾー、ディオール ウィメンズの各デザインスタジオにて、それぞれ1年間の研修を提供しました。現在、ファッション業界を代表する国際的な賞の一つとして知られるLVMH プライズは、絶えず進化し続ける創造的な潮流を反映しています。同賞が支援するデザイナーたちは、イノベーションやクラフツマンシップから、持続可能性、トレーサビリティ、循環型経済に至るまで、自らの時代を特徴づける多くの課題に取り組み、ファッションと創造の未来を形作る一翼を担っています。若手ファッションデザイナーの育成・支援を目的としたLVMH プライズの詳細については、www.lvmhprize.comをご覧ください。

    医療研究の推進と困難に直面する地域社会への支援

    公衆衛生、医療研究、困難に直面する地域社会への支援は、フランス国内外でLVMHが長年にわたり取り組んできた活動です。病院、研究機関、非営利団体との長期的なパートナーシップを通じて、グループは科学的研究とイノベーションを推進するとともに、患者やその家族、社会的弱者を支援するイニシアティブに貢献しています。

    LVMHは、Fondation des Hôpitaux、キュリー研究所、パリ・アメリカン病院、クロード・ポンピドゥー財団、ネッケル病院、サン・アントワーヌ病院、および米国エイズ研究財団(amfAR)など、主要な医療機関や研究機関と連携しています。グループはまた、腫瘍学、感染症、小児保健などの重要分野における研究プログラムを支援しています。

    最も長く継続している取り組みの一つとして、2011年にロベール・ドブレ大学病院の国立鎌状赤血球症リファレンスセンターと結んだパートナーシップがあります。この協業を通じて、LVMHは、特に子供たちに深刻な影響を及ぼすこの疾患の研究への資金提供、患者のケアの向上、および啓発活動に取り組んでいます。2025年、「Dîner des Maisons Engagées」では、同センターおよび複数のパートナー団体への追加の資金調達を実現し、グループの各メゾン、従業員、パートナーが健康と社会的貢献に対して抱く共通の決意を体現しました。

    医療や研究の分野にとどまらず、LVMHは、社会で最も弱い立場にある人々を支援する団体も援助しています。その中には、高齢者、病気と向き合う人々、障がい者と共に活動するフランスのクロード・ポンピドゥー財団、教育、医療、社会福祉の分野でイニシアティブを主導するハイチのユニバーサル・ブラザーフッド財団、そして貧困や社会的排除と闘う先駆的な組織であるニューヨークのロビン・フッド財団などが含まれます。こうした長期的なパートナーシップを通じて、LVMHは地域社会の強化に寄与し、その活動による好影響を世界中に広げています。