財務のメティエ

M&Aチームは、主に企業戦略やリスクマネジメントの検討事項に基づき、買収対象のスクリーニング、デューデリジェンス、買収した事業の統合などを行うことにより、自社のM&Aプロセスのマネジメントを担当します。また、買収対象との関係を構築し、期待できるシナジーを特定・再評価するという重要な職務を担います。

リスク マネジメントの各チームは、自社および各部署に影響を及ぼすリスク (内部および外部の両方) の特定、評価、優先順位付け、軽減を担当します。チームはまたリスクに関する方針とプロセスを周知徹底するとともに、市場リスク、信用リスク、運用リスクを含むリスクモデルの実践的な開発を行い、リスクコントロールが効果的に運用されることを保証し、調査や分析のサポートを提供します。リスク マネジメントの各チームはさらに、市場の変化や自社の収益性を高めることができる投資機会を認識することで、機会を最大化することにも役立ちます。この点に関しては、M&Aチームと緊密に協力し合います。

経理チームは、ビジネスに関わる財務取引の記録、要約、報告のプロセスのマネジメントを担当します。これには、こうした取引をまとめ、分析し、監督機関、規制当局、徴税機関に報告することが含まれます。経理チームは、アカウント レシーバブル (売掛金)、アカウント ペイアブル (買掛金)、レコード キーピング (記帳) の各部署で構成されています。

コンソリデーションの各チームは、自社のさまざまな海外子会社の会計・財務データの分析、管理、連結に携わり、その経済的実態を正確に反映させます。また、コンソリデーター (連結担当者) は、総務・財務担当役員との緊密な連携のもと、主に、経営陣とグループ株主が使用する、雇用者の子会社におけるすべての会計・財務要素に基づく単一の財務諸表を作成する責任を負います。

ファイナンシャル プランニング＆アナリシスの各チームは、自社の財務活動全体を調査、分析、評価し、自社の財務的将来 (多くの場合、予算という形で) を計画することを担当します。また、自社の目標達成に向けた進捗状況を評価し、将来の目標や計画を策定するために、自社のあらゆる運営面についての定量的・定性的分析を活用します。さらに、財務的収益性を最適化するために、目標やKPIを明確に規定し、自社の業績を測定するとともに、いずれも自社の将来的な財務結果を予測することを念頭に置いて、経済的・ビジネス的動向を考慮し、過去の自社の業績を見直し、障害や潜在的な問題の検出に取り組みます。

内部監査＆内部統制の各チームは、コーポレートガバナンスや会計のプロセスを初めとする、自社の統制プロセスの評価を担当します。また、決められた内部統制業務を実施することで、すべての財務プロセスが、詐欺や盗難を防ぐための法的ガイドラインやコンプライアンス規則に従っていることを確実なものとするとともに、すべての取引が照合され、合算されるようにするため、あらゆる財務活動を監督します。ファイナンシャル コントローラーは、外部の監査人との連絡窓口にもなります。内部監査＆内部統制チームはさらに、意図したとおりに機能していない現行のプロセス (情報技術システムやサプライチェーンマネジメントも含まれることがあります) に対する改善提案も行います。

税務の各チームは、税務申告・報告、税法遵守の徹底、所得税の会計処理、取引税の申告を担当します。これに加えて、最も有利な税務構造に関するサポートやコンサルティングを事業部門に提供し、移転価格の決定も行います。最終的に、さまざまな国の規制要件を最適化することによって、全体的な税負担を最小限に抑えるグローバルな税務戦略を規定します。

トレジャリー / クレジット マネジメントは、自社における資金と財務のリスクマネジメントを担当します。最優先事項は、自社が日々の事業義務を運営するために必要な資金を確保し、同時に長期的な財務の戦略と方針の策定を支援することです。トレジャリーの業務には、自社のための回収、支出、集中、投資、資金調達といった活動が含まれます。また、顧客が決められた支払条件で請求書を支払うことを確実なものとするためのあらゆる企業活動を行います。与信限度額、許容可能なリスクレベル、支払条件、顧客に対する強制措置についての決定を下すのもトレジャリーの職務です。トレジャリー / クレジット マネジメント チームはさらに、資金調達のために銀行や格付け機関、取引信用保険会社などとの連絡窓口にもなります。これを正しく行うことで、自社の財務状況や流動性ポジションが強化され、あらゆる事業における重要な要素となります。このチームの職務を、請求書の発行や元帳の管理を担当する経理のアカウント レシーバブル (売掛金) 部署の業務と混同しないようにしてください。

ファイナンシャル コミュニケーション＆インベスターリレーションズの各チームは、既存および潜在的な投資家に、自社の業務に関する正確な説明を提供することを担当し、主要な情報の発信を通して、自社の公開株式が公正に取引されていることを確実なものとします。これが、個人投資家や機関投資家が、自社に投資するかどうかを十分な情報に基づいて判断するのに役立ちます。このサブファンクションは、自社の株式市場価値と将来性を支え、強化するだけでなく、株主や投資家に対する自社の信頼性を高めることも目指すチームであることから、広報としての職責の一部を担うことにもなります。

財務情報システム＆テクノロジーの各チームは、財務部門のデジタル化を推進し、コアプロセスを自動化し、主要な財務ソフトウェア (経理部門における統計用等) を導入することで、財務部門が最適に機能するよう支援することを担当します。さらに、プロジェクトにおける財務チームとITチームの連携のマネジメントも行います。