
気候変動対策への取り組み
当グループの脱炭素化の道のりは、パリ協定に規定された方向性に沿ったものであり、科学的根拠に基づく目標イニシアティブ(SBTi)によってその妥当性が確認されています。これは、主要な排出源を減らすための「気候移行計画(CTP)」に基づいています。運用される行動計画では、あらゆる事業分野にまたがり関連するすべての社内外のステークホルダーの意見や関与を求めています。各メゾンは、それぞれの事業に合わせて目標と解決策を定めた独自のカーボン戦略を策定しています。
気候変動を緩和し、その影響に適応
LVMHは、その気候変動目標と行動計画を策定するにあたり、最も厳格な基準を参照しています。当グループは、2026年までにスコープ1および2の温室効果ガス(GHG)排出量を半減し、2030年までにスコープ3の付加価値の単位当たりの排出量を55%削減することを目指しています。スコープ3に関しては、「LIFE 360 ビジネスパートナー」プログラムが、サプライヤーのカーボンフットプリントの削減を支援しています。2024年には、19のメゾンがSBTiによるカーボン戦略の検証を完了または検証中です。さらに、当グループは、現在さらされている気候リスクおよび将来さらされる可能性について独自の評価を行い、該当する適応計画を策定するとともに、現在すでに展開可能な運用上の対応策の仕上げに入っています。
現場と店舗でコミットメントを実現
2022年に開始されたLVMHの省エネ計画は、エネルギー効率ポリシーの実施と再生可能エネルギーの活用により、当グループ内の施設および店舗の低炭素モデルへの移行を加速させることを目指しています。店舗は、2030年までにエネルギー消費を最大でも300kWh/m2未満にすることを目標に、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。また、LVMHは、店舗が所在するショッピングモールと協力し、共同で行動計画を遂行することを目指しており、アジアおよび中東ではすでに3件の提携契約を結んでいます。さらに、当グループはエネルギー構成の改善を継続しており、2024年には当グループのエネルギー消費量の71パーセントを再生可能エネルギーが占めています。この進歩は、当グループの各拠点で再生可能エネルギーを製造する能力を開発することで達成されました。フランスでは、当グループの拠点がSave Énergies社のバイオメタンを使用する一方、多くのメゾンが太陽光発電や地熱発電で自らエネルギーを生み出しています。
スコープ3の排出量削減のために行動を起こす
当グループの総カーボンフットプリントのうちスコープ3の排出量が占める割合は97%に上ります。原材料(製品およびパッケージング用)の購入がこの排出量の37%を占め、その他の排出源としては、資本財の購入(20%)、メディアおよびマーケティングキャンペーン(13%)、サプライチェーンの上流と下流での輸送(12%)が挙げられます。このフットプリントを削減するため、当グループは、認証取得済みの素材の使用、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)の支援、海上輸送などの低排出量の物流ソリューションの利用拡大といった、的を絞った行動計画を実施しています。また、サプライヤーに関連する排出量を削減するため、LVMHは、サプライヤーによるカーボンフットプリントと環境負荷低減の取り組みを支援する共同行動プログラム「LIFE 360 ビジネスパートナー」も立ち上げています。
LVMH’S CARBON FOOTPRINT IN 2024.
活動分野別
Scopes | スコープ 1&2 100%ベース | スコープ 3 100%ベース |
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ワイン & スピリッツ. | 8 | 6 |
ファッション & レザーグッズ | 37 | 51 |
パフューム & コスメティクス | 7 | 10 |
ウォッチ & ジュエリー | 9 | 9 |
セレクティブ・リテーリング | 19 | 18 |
その他の活動 | 21 | 7 |
TOTAL EMISSIONS
スコープ 1&2 100%ベース | スコープ 3 100%ベース | |
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総排出量 | 198,370 tCO2eq | 7,522,620 tCO2eq |